今から約1年前、世界最速ゲーミングキーボードと名高いApex Proを超えるキーボードの情報を入手しました。
そのキーボードの名前はWooting two lekker editionと言う物です。
このキーボードにロマンを感じた僕は即予約してしまいました。
当初は2020年中に届く予定だったはずでしたが、新型コロナによる様々なスケジュールトラブルにより、ようやく届いたのは2021年5月末でした。
これからWooting two lekker editionについて軽くレビューしていきます。
Wooting two lekker editionのスペック表
以下にWooting two lekker editionの大まかなスペックを載せておきます。
製品名 | Wooting two lekker edition |
キースイッチ | Lekker スイッチ |
バックライト | RGB |
オンボードフラッシュメモリ | 1 デジタルプロファイル 3 アナログプロファイル 追加プロファイル(16MBメモリにより実質無制限) |
接続タイプ | Type-C to Type-A(キーボードから取り外し可能) |
アンチゴースト | 100%アンチゴースト |
キーロールオーバー | Nキーロールオーバー |
押下圧 | 60cN |
触覚 | リニア |
アクチュエーションポイント | 0.1 ~ 4.0 mm |
キースイッチの耐久性 | 1億回以上 |
応答速度(入力遅延) | デフォルト:3.4ms タキオンモード:1.4ms (Wootility v4.3.5-beta時点) |
ポーリングレート | 1000Hz |
重量 | 約950g |
本体サイズ | 未測定 |
その他 | |
価格 | 199.99€ (2021年6月22日時点で約26000円) |
入手性 | 世界1000台限定により現在は入手不可 |
Apex Proとの違い
アクチュエーションポイント(AP)設定範囲がApex Proよりも広い
Apex ProのAP設定範囲は0.4 ~ 3.6mmであり、0.3mm刻みで変更可能という仕様でした。
対してWooting two lekker editionのAP設定範囲は0.1 ~ 4.0mmとなっており、専用ソフトウェアのWootilityを使用する事で0.1mm刻みで変更可能です。
APを0.1mmに設定すると、ほんのわずかに指がキーに触れるだけで反応するレベルです。
応答速度はApex Proの公称値0.7msよりは遅いとされているが・・・
応答速度とは、キースイッチがAPに到達してから、パソコン側が“キーが入力された”と判定するまでの時間です。
Apex Proは応答速度が0.7msで最速である事が謳われていますが、実はApex Proよりも Wooting Two LE(HE) の方が実測での入力遅延が少ないという結果が海外サイトのRTINGS.comで出ていたりします。
Wooting Two HE(LE) の実測入力遅延:1.9 ms (タキオンモードON)
Apex Pro の実測入力遅延:4.1 ms
Apex Pro TKL の実測入力遅延:3.8 ms
以下に専用ソフトウェアであるWootilityの設定画面の一部を載せておきます。
本キーボードには応答速度に特化したタキオンモードと呼ばれる機能が搭載されており、タキオンモードオフ(デフォルト)状態では3.4ms、オンの状態で1.4msとなっています。
ちなみにタキオンモードがオンの状態ではRGBバックライトのエフェクトが無効化されます。これはRGBエフェクト自体にも処理負荷が掛かり、応答速度に影響を与えるためであるようです。
ラピッドトリガー機能が搭載されている
APとリセットポイント(RP)がキーを押し込んだ深さに応じて動的に変化するラピッドトリガー機能が搭載されています。
言葉で説明すると分かりにくいので、以下の引用図を見てもらった方が分かりやすいです。
Apex ProではAPの位置を変更する事は出来たものの、同時にRPの位置もAPとほぼ同じ位置に変更されていました。
そのためAPを浅めに設定すればキー押下時の反応速度は早くなるものの、キーを離して次の動作へ繋げる場合はRPが高い位置にあるため、結果的にその分だけ次の動作が遅れてしまう欠点がありました。
この欠点を克服するために考えられた機能が、このラピッドトリガーとなります。
アナログ機能が搭載されている
アナログ機能が搭載されているため、キーをどのくらい深く押したかによってキャラクターの動作を微調整する事が可能になっています。
要はゲームパッドのアナログスティックをイメージすると分かりやすいですね。スティックを少し倒せばキャラクターがゆっくりと動き、深く倒せば走るといった感じです。
ただ、この機能を使うためにはWootilityでの設定が必要となり、またゲームタイトルによってはうまく動作しない事があるため、僕は現時点ではまだ使っていません。
押下圧が60cNと少し重め
Apex Proのキー押下圧が45cNに対して、本キーボードは60cNになります。
基本的にゲーミングキーボードのキー押下圧は、長時間に及ぶゲーミングの快適性を考慮して45cNあたりが採用されている事が多いです。
しかし本キーボードの場合、アナログ機能を利用したゲームをプレイする際に丁度いい塩梅で操作出来る押下圧として60cNを採用しているとの事です。
ちなみに元々は65cNで作られる予定だったのですが、色々複雑な理由があって最終的に60cNに変更した事が公式サイトのブログで読めたりします(全部英語なので暇な方は調べて読んでみて下さい)。
ケーブルが脱着式である。
キーボ―ド本体側がUSB Type-C、PC側がUSB Type-Aによる接続になります。
Apex Proはケーブルがかなりゴツくて取り回しがし辛かったのですが、本キーボードでは脱着可能なので利便性が高いです。その代わりUSBパススルー機能はありません。
キースイッチが初めからルブされている。
スペック上では特に公表されてはいないのですが、Lekkerスイッチそのものが初めからルブされていました。
ルブというのはキースイッチの軸に潤滑油を塗る事です。これによってタイピング感の向上と静音性を高める事が出来ます。
本来であれば自分でキーボードを分解してキースイッチ1つ1つの軸に潤滑油を塗っていく作業が必要になってくるんですが、Lekkerスイッチは初めからルブが施されていたのでビックリしました。
おかげでタイピング時の感触はヌルヌルで、キータッチ時の音もコトコトといった感じなので、叩いていてとても楽しいです。
気になった点
ここからはWooting two lekker editionを使っていて気になった点を書いていきます。
全面フルアルミボディーではない
正直キーボードの裏面を触る事はほとんど無いので気にしなくてもいいんですが、アルミが採用されているのは前面のみであり、裏面はコストダウンのためかプラスチック製となっていました。
全面アルミだと手に持った時のヒンヤリした感じが堪らないのですが、本キーボードはそうではないため、ちょっと残念。
12000円くらいで購入可能なHyperX Alloy Origins Coreが全面アルミであったため、20000円以上の価格帯であれば材質にお金を掛ける事くらい出来そうな気はしますが、さすがにコロナによるスケジュールの後退と予算の消耗によりコストダウンを図るしかなかったのかもしれませんね・・・。
まとめ
予約して約1年、ようやく入手出来たWooting two lekker editionについて軽くレビューしてみました。
1000台限定のキーボードため現在は売り切れて入手不可能ですが、
同じくWootingからWooting two HEというキーボードが販売されています。
Wooting two HE は Wooting two lekker edition の量産型にあたる商品で、lekker editionに比べて機能性はそのままにコストダウンを図ったものになります。
違いとしてはキーキャップの材質がダブルショットPBTよりも安価なABS樹脂に変更されている事、見た目が黒で統一されている事、内部基盤に改良を加えてより低コストを実現しているといった感じらしいです。
lekker edition が欲しかったけどもう手に入らない・・・とお嘆きの方はぜひ注文してみてはいかがでしょうか。
本当は他にも書くべき事や載せたほうがいい情報等あるのですが、最近YouTubeの方が忙しくてまとまった時間が取りにくいので、今回はこのくらいにしときます。
※また時間に余裕が出来た時にもう少し分かりやすくなるような情報を追加するかもしれません。
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