【気胸】動画編集中に突然肺に穴が開いて昇天しかけた話

胸の痛み 病気

YouTubeで稼いでいた頃の話です。

動画編集をせっせと頑張っていたある日、突然左胸に妙な圧迫感を感じるようになりました。

気にせずそのまま放置していると徐々に圧迫感が強まっていき、呼吸がし辛くなっていきました。どうもおかしいなと思いましたが、放置していればいずれ治るはずだと思い、我慢して動画編集に励んでいました。

そして一日の作業が全て終わった頃、左胸の圧迫感はかなり強まっていました。

治るどころか余計に辛くなり、息がかなり吸えなくなってきていました。

さすがにこれはおかしいと思い、別の部屋に居た親に報告。早速病院に連れて行ってもらいました。

症状を医師に説明すると、早速レントゲンとCTを撮ると言われました。

撮った数分後に呼び出され、部屋に入ると、僕の肺のレントゲン写真とCT写真を見せられました。

それを見て僕はすごく絶望しまました。

スポンサーリンク

左肺が半分以上も萎んでいた・・・

病名は「気胸」とのこと。

肺の一部に小さな穴が開き、そこから少しずつ空気が漏れ、その漏れた空気によって肺が徐々に圧迫されて息が吸えなくなってくるということらしい。

即入院と言われ、直後に応急処置として左胸に麻酔され、直接太いゴムチューブが突き刺されました。

肋骨の間をグリグリとチューブが押し込まれていく時の感覚は本当に気持ち悪かったです。

我慢してその気持ち悪さに耐えていると、肺の外側の空気が漏れた部分までチューブが到達しました。

その瞬間、バスッという音がして、呼吸がある程度楽になりました。

チューブの先には胸腔ドレナージと呼ばれる、肺から空気が漏れているかどうかを確認できる装置が繋がれていました。

応急処置完了後、そのまま病室に搬送されました。病室のベッドに横たえられた後、看護師さんに次のように言われました。

看護師「麻酔が切れてくるとかなり辛い痛みに襲われると思いますので、どうしても我慢出来なくなったら近くのナースコールを押して気軽に呼んで下さい。痛み止めを持ってきますので。」

それから2時間くらい経った後、麻酔が切れてきました。

チューブを刺してるところからものすごい激痛が走り出した

このあたりからチューブを刺してる箇所に激痛が襲ってきました。

本当に全身冷や汗が出るほどの痛みが襲ってきました。

肺の外側の空気の漏れた『胸腔』という箇所にそのままチューブが刺されてるので、痛すぎて呼吸も安定して行うことができません。

普通に呼吸したら、チューブを刺してる箇所への刺激が強すぎて辛いのです。

我慢できなくなった僕はナースコールを押して痛み止めを貰おうと思いました。

しかし、腕を動かそうにも動かせません。

ナースコールがすぐ近く、ほんの30センチ横にあるにも関わらず、手を伸ばせません。

ほんの少しでも腕を動かそうとするとチューブを刺してる左胸に激痛が走り、動かせないのです。

こんなことになるなら少し痛みが出てきた時点ですぐに呼べば良かったと思いました。

どうしても痛みで動かせないので、仕方なく看護師が様子を見に来るまで我慢して待つことにしました。

その時はちょうど夜中だったので、看護師が様子を見に来ることは無く、結局朝6時くらいまで待たされました。

その頃には激痛はピークに達しており、じっとしてるだけでも泣きそうなほど辛かったです。

早速看護師さんに痛み止めを処方されましたが、かなり長時間強い痛みに耐えてきたせいか、すぐに効いてきませんでした。

看護師さんの説明によると大体30分から1時間程度で痛みが和らぐらしいのですが、僕の場合は2時間近くかかりました。

痛み止めって不思議なもので、ちゃんと効いてくると本当に痛みが収まり、左胸にチューブが突き刺されてる状態にも関わらず、自分の力でベッドから起き上がれるようになったりします。

痛み止めの効果が切れる前に朝食を済まし、またベッドに戻りました。あとは痛みが出てきたら痛み止めを飲み、痛みが治まれば何もやることが無いのでそのまま寝てたりしました。

そして痛みが出たら痛み止めって感じで、その繰り返しだけで一日が終わりました。

こんなことを書くと失礼ですが、唯一の楽しみである病院食は必要最低限の味付けしかされてなく、味の濃いものが好きな僕にとっては正直物足りなかったです。

入院2日後、チューブを刺したままレントゲン写真を撮るとのことで、いつも通り痛み止めを飲み、痛みが収まった段階でレントゲン室に移動しました。

そこでパパっと撮影した後、病室に戻って結果報告を待ちました。数時間後に医師が来て、こう言われました。

肺が膨らまなかったので吸引するハメに・・・

医師「レントゲン写真を確認したところ、萎んだ肺がほとんど膨らんで無かったので、今日から肺に刺しているチューブから空気を吸引して徐々に肺を膨らませる処置を行います。」

なんと胸に刺してるチューブからそのまま吸引を行うとのことです。

気胸というのは普通、僕みたいに若い年齢であれば、ただチューブを刺して溜まった空気を外に逃がしてあげるだけで肺が膨らみ、調子が良ければそのまま開いた穴も自然治癒によって塞がるとのこと。

しかし僕の場合は、2日間チューブを刺して様子を見たのにも関わらず、あまり肺が膨らんでいなかったらしいのです。

そのため次の手段として、そのまま吸引することにしたということです。

チューブの先に繋がれているドレナージに新たなチューブが取り付けられ、吸引装置に取り付けられました。

吸引装置を起動すると、空気が吸引され始めました。

すると胸から若干の鈍い痛みが走ってきました。

今まではチューブを刺してる傷口が痛かっただけでしたが、これからはしばらく内側からの鈍い痛みにも耐えなければいけないようです。

医師曰く、肺が完全に膨らんでくると胸腔内に刺さっているチューブが肺にあたり、それなりに痛むことがあるとのことです。

膨らんでいる最中も変な痛みに襲われることが多いのですが、それが普通なので安心して欲しいとも伝えられました。

また、吸引装置は自分で取り外しできるようになっているとのことで、トイレに行きたい時だけ吸引装置を外し、戻ってきたら自分で付け直すように言われました。

それからひたすら溜まった空気を吸引し続ける生活が始まりました。

吸引していても肺に穴が開いているせいで、すぐに肺が膨らんでくることはないみたいでした。

その生活が3日続き、最終的には医師に言われていたようにチューブが肺に当たってかなり痛かったです。

チューブが当たって痛いということは、肺もそれなりに膨らんでいるということだと思うので、このまま自然治癒で治って欲しいと思っていました。

しかし僕の願いも虚しく、レントゲン写真を撮った所、肺は以前よりも膨らんではいたが、やけに肺からの空気漏れが激しいようで、このままだと自然治癒は厳しいとの見解を示してきました。

なので、最終手段として手術を行うことの旨を伝えられました。

自然治癒は難しく、手術するハメに

手術の内容としては、胸に3箇所穴を開け、そこから様々な医療器具を用いて肺の一部を切除するとのことでした。

どうやら内蔵の一部を捧げるしか無くなったようです。

医師によると、僕の肺には一部『ブラ』と呼ばれる袋状のものが出来ており、その袋に穴が開いてしまったせいで自然治癒しにくくなっているとのことでした。

その『ブラ』の出来た箇所を切除し、ついでに他にも穴が開きそうな箇所が見つかれば、そこも処置して再発を防止すると言われました。

手術後の絶叫地獄

手術後が本当に辛かったです。全身麻酔で手術が行われ、気づいたら目が覚めてたのですが、その直後に左胸にものすごい激痛が襲ってきました。

あまりにも痛かったのでギャーギャー喚いてしまいました。

しかもありえないほど息苦しいのです。

左胸がめちゃくちゃ抉られてるような感じで、本気でいつ昇天してもおかしくないような激痛がひたすら続きました。

僕があまりにも喚くので、手術に携わった医師達は不思議そうに僕を見ていました。

どうやら、普通はここまで痛がることは無いらしいのです。大抵、気胸の手術を受けた人は小さな声で呻く程度らしいのです。

だけど本当に気が狂いそうになるほどの激痛だったので、僕は術後数時間の間叫び続けていました。

心配した医師が許容量ギリギリの痛み止めを処方してくれましたが、それも効きませんでした。

しかも、あまりにも息を乱しながら叫んでるせいで、気管に痰が溜まってきました。

その痰が絡みついてくるせいで呼吸がうまくできなくなり、かなり苦しかったです。

その状態がずっと続くので、最悪覚悟を決めるしかなくなると本気で思いました。

痛みのレベルからして拷問だとしか思えませんでした。

しかし、痛みに耐えて耐えて何時間かした頃、僕は自分の身体を微妙に捻るような感じで身体を動かしてしまいました。

そしたら突然、あんなにものすごかった痛みが突然消えました。

あれ?って思いました。さっきまで激痛で叫びまくっていたのに、その痛みが一瞬で無くなったのです。本気で意味が分かりませんでした。

近くで見守っていた医師も不思議な顔をしていました。

今度は身体を捻ったような状態から元の体勢に戻ろうとしてみました。

そしたら、さっきのものすごい抉られるような激痛が左胸全体を駆け巡り、ものすごい絶叫を上げてしまいました。

医師もまたびっくりしていました。

急いでもう一度身体を捻ったような姿勢をとると、また痛みが収まりました。

僕はなんとなく原因が分かってしまいました。

左胸には手術前と同様にドレナージのチューブが刺さっていたのですが、そのチューブの先端がどうやら肋骨の周りを覆っている肋間神経にダイレクトに触れてた可能性が非常に高いと思いました。

つまり、チューブの先端で神経をグリグリやられてたようなものです。

その状態で手術から目が覚めたものだから、本当に生き地獄を味わうことになりました。

身体を一定の方向に捻ることでチューブ先端が肋間神経に当たらないようになり、それで痛みが収まったのではないかと考えています。

地獄の痛みからようやく解放

ようやく痛みから逃れることができた僕は、そのまま数日ほど身体を捻ったような状態でベッドに横たわる生活を続けました。

変な姿勢で居るものだから結構疲れてしまいました。

たまに油断して元の姿勢に戻ろうとして、それでチューブの先端が神経に引っかかり、思わず痛みで叫んでしまいそうになったこともありました。

最終的に医師からドレナージを外してもいい段階まで来たと言われ、傷口に麻酔を施した後、チューブを外してもらいました。

それからはどんな姿勢になっても地獄のような痛みに襲われることは無くなりました。

やはりチューブの先端が肋間神経を抉っていたせいで苦しんでしまったことは確実だと思いました。

麻酔が切れてきた後はさすがに辛かったけど、退院するまでは痛み止めでごまかして入院生活を送りました。

これが僕が体験した肺気胸の話です。

今でも手術跡が痛むことが多いですが、どうやら医師によると、1年(長くて2年)程は神経痛に襲われることがあるらしく、気胸の手術を行った人は基本的にそうだから心配する必要は無いみたいです。

あなたも気をつけて下さい。

気胸の手術によって亡くなる確率は0.04%くらいとのことです。

決して0では無いですが、しっかりした処置を施してもらえれば基本生き残れる病気です。

ただし手術を受けることになった場合、場合によっては僕のように生き地獄を味わうこともあります。

普通は僕のようにギャーギャー喚くほど苦しむことは無いらしいので、そうなってしまった場合はおそらく、ドレナージのチューブ先端が肋間神経のどこかを抉っていると思ったほうがいいかもしれません。

僕の場合は身体をチューブが刺されている側とは逆側に曲げることで痛みが収まったので、もしこれから気胸の手術をすることになるかもしれないって方は、万が一手術後に恐ろしい激痛に襲われたら試してみて下さい。

コメント